育児

食事嫌いの娘(9ヶ月)に離乳食を食べてもらえるようになった24の方法

Cute baby with spoon

私には執筆時点で1歳になる娘がいる。今は食事をモグモグ食べてくれるようになったが、離乳食をあげはじめた当初はなかなか食べてくれずに苦労した。病院から頂いた冊子や市販の本を参考に調理しているのだが、何が悪いのか食事をするときまって機嫌が悪くなり、手足をばたつかせてイヤイヤをする。更にその手でせっかく作ったご飯を叩き落したりするものだから、私の心はポッキリと折れてしまうのだ。

まあ、自分が悲しくなるくらいならいいのだが、育ち盛りの子供がご飯を食べてくれないというのは、親としてとっても不安になる。生後9ヶ月ともなると1食あたり凡そ80g程度の量を食べるらしく、一日に必要な栄養素の4割程度は離乳食から接種するらしい。そうやって徐々に離乳食の量を増やしていき、ミルクや母乳を卒業していくらしい。

本には「一食の目安量」が写真付きで載っていたりするが、それを見るたびに焦りを感じていた。なんといっても一食分のボリュームが、娘が実際に食べている一日分の合計よりも多かったりするからだ。「やばい!平均よりも全然食べてないよ」と猛烈に焦りを感じるものの、困っている親をしり目に、娘は一向に食べてくれない。ひどいときは一食が一口で終わってしまうことすらあった。

まあ紆余曲折あったものの自分なりに試行錯誤を繰り返して、少しずつだが食事を食べてくれるようになった。同じような悩みを抱えておられる方のために、私が試して効果があった方法を掲載してみるので参考にしてほしい。

「調理方法」に関するTIPS

01. 食材はできるだけ柔らかくする

離乳食の調理本を見ると、子供の年齢に応じた硬さ加減が図解付きで書いてあったりする。最初はまじめにその硬さを再現していたのだが、試しにもっと柔らかく作ってみたところ、パクパク食べてくれた。本に書いている段階よりも、1歩手前の硬さで調理してみるといいだろう。

02. とろみを加えてみる

歯が十分にはえそろっていない状態では、食べ物を咀嚼する力も弱いため、飲み込むときに「おえっ」っとなってしまう場合がある。それが常態化してしまうと、「食事=苦しいもの」という印象をもたれてしまう恐れがあるのでよろしくない。そこで片栗粉を使って、食事にとろみを加えてあげるといいだろう。おかゆのようにでんぷん質が豊富な食事は、じっくり煮詰めることでトロトロになるから不要だが、野菜の煮たヤツなんかはとろみを加えることでぐんと食べやすくなるはずだ。

03. 蒸しパンにしてみる

うちの娘の場合「食べさせられる」という行為に拒否感があるらしく、「自分で食べる」ぶんにはそれほど嫌がったりしない。そこで小さな食材でも手づかみで食べられるように蒸しパンにしてみたところ、ぐちゃぐちゃにしながらも自分で食べることができた。最初は具材なしのプレーンな蒸しパンで試してみて、OKそうなら具材入りにトライしてみるといいだろう。ちなみにプレーンバージョンでは、ほんの少し粉ミルクを入れてあげると、ほんのり甘くなってパクパク食べてくれた。

04. 子供の目の前で調理してみる

子供は興味がそそられるものにはなんでも手を伸ばす習性があるので、調理場面を見せてあげるっていうのも効果的だ。ただ包丁や鍋を使うシーンは危険なので、調理の最終工程だけを見せるようにした。例えば、できあがっているおかゆにレンジでチンしたシャケをほぐして混ぜるシーンや、ほぼ完成している食材にだしを加える(最後の味付け)シーンなど、ちょっとした工程を見せるだけで、「それなに?」と興味を持ってくれて食べてくれた。

05. 複数の食事を用意する

私はできるだけ栄養に偏りのない食事にしたいとの思いから、いろんな食材を混ぜこぜにした1品ものを作っていた。「おかゆ+しゃけ+野菜+豆腐」みたいな料理だ。これなら例え数口しか食べてくれなくても、最低限まんべんなく色々な食材を食べさせられると思っていたのだが、これはますます食事を遠ざけてしまうのでやめたほうが良い。「どうせ胃に入れば一緒だろ?」という理由で、おかずやご飯をごちゃまぜにされたら大人でも食欲がなくなるのと同様に、例え離乳食であっても「全部入り」はおいしくないようだ。それにおかずが数品あると、「そっちはなに?」という興味もそそられるし、味の違いもあって食事を楽しんでもらえる。

06. 自分がおいしいと思える味にする

「離乳食に塩分は不要」という説明を真に受けた私は、味付けらしいことをしなかった。当然できあがった料理は食材だけの味しかしないので、あまりおいしいと感じなかった。「まあ、離乳食だし、こんなもんかな」と思っていたが、大人がおいしくないものは子供にとってもおいしくないようだ。そこで思い切って、薄めた醤油を1滴たらしたり、他の料理で作った煮つけの汁を加えたりといった味付けをしてみたところ、娘が食べてくれるようになった。もちろん、大人と同じ味付けにするのは塩分や糖分が過剰になるので絶対NGだが、ほんのり風味が感じられる程度に味付けすることで、娘にもおいしいと感じてもらえたのか、食事が進むようになった。

「食事の時間やタイミング」に関するTIPS

07. 寝起きのタイミングを避ける

寝ぼけた状態では食欲がわかないので、できれば起きてすぐの状態は避けるべきだ。食欲以前に、寝起きの状態では胃腸の働きもよくないので消化にも悪いし、最悪嘔吐してしまう恐れもある。遊ぶ時間やお昼寝の時間を調整して、食事の1時間前くらいには起きている状態にするといいだろう。

08. 極度に空腹なタイミングを避ける

うちの娘の場合、極端におなかがすくとミルクを欲しがって大泣きしてしまい、とても食事どころではなくなってしまう。おかゆを口元へ運んでもイヤイヤをするし、ミルクがないことに癇癪を起してしまう。「めちゃくちゃ空腹なら、めいっぱい食べてくれる」ということはないし、むしろ機嫌が悪いことが多いので、避けたほうがよいだろう。

09. 食事の時刻を決める(ただし縛られすぎないこと)

前項のタイミングを見計らうためにも、食事の時間は大凡決めたほうがよいだろう。起床と就寝の時間を決めてしまえば、自ずと食事の時間も定まってくると思うので、まずは寝起きのタイミングを定めよう。こうして一日の活動にリズムができてくると、「そろそろ食事だな」「遊ぶ時間だな」「風呂かな」ということを娘自身が感じてくれるようになり、感情も安定するような気がする。

「食事の与え方」に関するTIPS

10. 口に運ぶ前に、味や素材、調理方法について説明する

「今日のおかゆは、ちょっとゴマを入れて中華風味にしてみたんだよ」的な解説を入れると、「ん?」という感じで料理に興味を持ってくれる。食べさせることに集中しすぎてしまうと、ついつい無言になってしまうが、こういった会話をはさむといいだろう。なにより娘はパパやママが話しかけてくれるだけで嬉しくなるはずだから。

11. 「おいしいね」等の声掛けをする

子供は感受性が強いため、大人が楽しそうにしているとそれに共感して楽しくなるものだ。食事に関しても同じようで、「いやー、これめっちゃおいしいよね」(実際に自分も味見しながら・・・)と話しかけると、おいしそうに食べてくれる。

12. 否定形ワードを使わない

食事が進まないと、「食べないと大きくならないよ」といったネガティブワードがついつい口をついて出てくるものだが、道理を理解することができない年齢の娘には効果がない。むしろ否定的なことを話している自分の表情が暗くなってしまい、それを見た娘のリアクションも悪くなってしまう。基本的に百害あって一利なしだろう。前述のように、「おいしいね」とか「今日は沢山おかずがあるね」といったポジティブな会話を心がけよう。

13. 食事を手で食べさせてみる

うちの娘の場合、食べさせられるのは嫌がるが、自分で手づかみしながらなら食べてくれることが何度もあった。おかゆのような料理では難しいが、バナナやイチゴ、蒸しパンといった料理ならスプーンやフォークを使わずに手づかみで食べさせてみるとよいだろう。

14. おもちゃやスプーンを手に持たせる

小さい子はとにかくじっとしていることができない。手持無沙汰の状態で、食べ物が口元に運ばれてくるのをただひたすら待つというのは結構苦痛らしい。そのためおもちゃやスプーン(ゴムかプラスティック製がよい)を握らせてあげると、それに意識が向くので(与えたもので遊んでくれるので)、その間に食事を与えるとよいだろう。数種類のおもちゃを用意して、飽きたら新しいものを手渡すといい(最初はおもちゃを隠しておき飽きたらひとつずつ取り出して手渡すとよい)。

15. 子供と同じものを食べる

娘が手を付けなかった食事を、捨てるのが忍びなくて自分で食べていた時のこと。娘が「それなーに?おいしいの?」という感じで興味を示してきたことがあった。「さっきは嫌がってたくせに。エラい気分屋さんだな」と思ったものだが、やはり親がしていることや食べているものには興味を示すようだ。そこで子供に食事を与える前に、まずはそれを親が食べているのを見せるというのが効果的だと思う。きっと興味をもってくれるはずだ。

16. 子供と一緒に食事をとる

前述のポイントと似ているが、一緒に食事をとることで、「食べる」ということに興味をもってくれるようになる。「食べさせるので精いっぱいで、自分が食べる余裕なんてないよ」と思われるかもしれないが、なにもしっかりと食事をする必要はない(アツアツの味噌汁とかがテーブルの上にあると危険だし・・・)。自分用にちょっとつまむものを用意して、子供と一緒に食事を楽しんでみよう。「パパも食べるね。うーーん、こっちもおいしいよ」と話しかけると、不思議と娘も「私も食べる」的な動作をしてくれる。

17. 親が使っている箸で食べさせる

娘の場合、子供用のスプーンやフォークは嫌がるくせに、私の箸はOKという謎のリアクションを見せてくれることが何度かあった。箸がめずらしかったのか、親が使っているものを真似したいだけだったのかはわからないが、箸を使うとよく食べてくれた。虫歯菌がうつるのは避けたいので、口を付けていない箸を使うのがいいだろう(新品でなくてよい。洗ってあるものでOK)。

18. 一度、ぐちゃぐちゃにさせてみる

娘は当初、食べ物とおもちゃの区別がついていなかったようで、とかく食べ物を触りたがった。そして私が少しでも隙を見せようものなら、おかゆをぐちゃぐちゃにしてテーブルにぶちまるといった暴挙にでた。そのたびに私は「ダメだよ」とキツく窘めていたのだが、0歳児に道理が通じるはずもなく、娘には不満だけが残り(触りたいという自分の要求が通らない)、結果として食事が手につかないくらい暴れたり不機嫌になった。こんなことを何度か繰り返したので、私は思い切って、娘が満足するまでぐちゃぐちゃにさせてみることにした。「食べ物を粗末にしてはいけない」と教えられてきた自分にとっては、かなりフラストレーションがたまるチャレンジだったが、一度思う存分やらせてみたところ、それ以降破壊的な衝動?は収まったようで、多少手を焼くものの食事をしてくれるようになった。当然テーブルやカーペットを含めて汚れるし、食べ物に対する考え方も人それぞれなので、万人にお勧めできる方法ではないが、娘を落ち着かせるのに効果があったということだけは事実だ。

19. 飲み物とガーゼを事前に用意しよう

食べ物に慣れるまでは咀嚼が十分ではないので、飲み込むのに苦労する。そのためむせてしまったときに備えて、飲み物を予め用意しておこう。白湯かノンカフェインのお茶(こちらもちょっと温い程度)がいいだろう。加えて、よく口からこぼすので柔らかいティッシュ(ちょっと高級なヤツ)かガーゼを用意しておこう。予め準備しておけば、いざというときにバタバタしなくてよい。

20. 無理強いしない

食べないときは、どうやっても食べないし、無理に口につっこんだところで喉に詰まらせる可能性もあって危険だ。子供がどうしても嫌がるなら、無理強いするのは避けよう。

21. 知らんぷりしてみる

色々試行錯誤してみた中で最も効果があった方法がこれだ。老人ホームで介護の仕事をしている友人の話だと、食事を食べさせるときにお年寄りを見つめるのは好ましくないらしい。見られていると「食べさせられている」or「食べなければいけない」という感覚に陥り、居心地の悪さを感じて食べることを拒否してしまうらしい。これは子供にも当てはまるらしいので、まじまじと見つめたり、傍にガッツリと張り付くのはよろしくないようだ。むしろ「ん?なんか用?飯食うの?」くらいの心もちで接するとよいだろう。特に私の場合は、”なんとしても娘に食べてもらわないと”という気持ちがはやってしまって、気持ちが前のめり気味だったと思う。それに気づけたことで娘への接し方がだいぶ変わり、そのおかげか娘も食事を嫌がらないようになった。

「心構え」に関するTIPS

22. 親である自分自身が焦らないこと

娘がなかなか食事を食べてくれないことに焦りを感じていた頃、ある方のブログに救われた。そこにはこんな感じのことが書いてあった。「(虐待やネグレクトの場合を除いて)今の日本で普通に子育てをしていて、子供が餓死するようなことはない。だから多少ご飯を食べてくれなくたって、どうってことはない。」初めての育児ということもあり、ちょっと気負っていた自分にとって、なにか肩の力が抜けるような感じがするコメントだった。それ以来、「とりあえず一口でも食べてくれればいいか」と思えるようになった。食事中の娘に対する接し方も、自分の気持ちが変わったおかげか、よりマイルドになった気がするし、なにより娘との食事を楽しめるようになった。そして徐々に娘も食事の量が増えていった気がする。やはり親である自分自身が気負わずに焦らないことが重要なんだと思った。

23. 疲れた時はレトルトを使ってみる

基本的には手作りの料理であることが望ましいが、作るための時間をさけないこともあるし、作る気力がないときもある。そんなときは無理をしないで、レトルトを活用してみよう。最近のレトルトはよくできており、栄養豊富でいて、しかもおいしい(自分で味見してみておいしいと感じた)。レトルト→手抜き→親失格 的なことにはならないので、是非気負わずに使ってみてほしい。

24. 週末に作って冷凍保存しておこう

忙しい平日の朝や、仕事帰りの夕方にゼロからご飯を作るのは正直シンドイものだ。なので週末にまとめて料理をして、小分けにしたものを冷凍しておくとよいだろう。ある程度簡単な味付けまで済ませておけば、あとはチンするだけでOKだ。離乳食用の小口タッパーが楽天やAmazonで売っているので、使ってみるとよいだろう。